つくば言語技術教育研究所 Tsukuba Language Arts Institute
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言語技術教育に関する研究開発 | ||||||||||||
つくば言語技術教育研究所は,次の3つの研究・開発を主に行っています。 1.日本の子どものための言語技術教育のカリキュラムと教材の開発 欧米の国語教育では,言語技術教育が指導の中心です。国語は技術教科と考えられており,体系的なカリキュラムにしたがって系統的な指導を行うことにより,基本的に誰でも言葉の技術を使いこなせるようになると考えられています。私達は,ドイツの国語教育のカリキュラムを下敷きに,日本の子どもにあった独自のカリキュラムを開発し,それに基づいて指導を行っております。 欧米の国語教育は,一般的に「言語技術教育」と「文学教育(読書技術教育)」の2本立てで行われます。幼稚園から高校までの長い期間を視野に入れて,私達は「言語技術」と「読書技術」の両技術を子どもが自然にかつ容易に獲得できるようにカリキュラムを構成しています。 2.言語技術の効果的な教授法の研究開発 どのような形で指導すれば,子どもが楽しく容易に言語技術を身につけられるのか,という点を私達は常に心がけています。授業では,子どもに教え込むことはできるだけせず,可能な限り子ども自身の中から潜在能力を引き出すよう努力しております。授業は,議論を中心に組み立てており,欧米式の発信型の授業に徹しています。それと並行して作文の組み立て方法を指導し、考察内容を必ず文章化させ、自分の考えを文章に落としてまとめる能力を育成します。 3.欧米における文学教育(読書技術教育)の研究と指導法の開発 欧米では学校教育の中で,テクスト(本)を読むための技術が指導されます。欧米各国で読書技術教育の名称は異なりますが,内容はほぼ同じです。例えばドイツでは,Interpretationと呼ばれ,アメリカではCritical Readingと呼ばれています。欧米型の『読解』は、日本の国語科で意味する『読解』とは異なります。欧米型の『読解』とは、書かれた文章が何を意味するかについて自分なりに仮説を立て、その仮説を文章に書かれた事実を証拠として挙げながら論証することを意味します。そしてこのような『読解』の手法は、文学作品のみならずあらゆる文章〔連続型テクスト〕や絵・写真・グラフ〔非連続型テクスト〕に応用されます。言語技術の最終目標は、子供のクリティカルシンキング能力〔対象を観察し、分解して分析し、分析結果を統合して解釈し、自らの批判・批評を加える一連の考察方法〕の育成であり、そのための有効な方法が読書技術教育です。当研究所では,ドイツを始めアメリカやカナダの読書技術教育を研究し、日本の子どもに有効に読書技術を指導する方法を考案しました。スペインで開発された「読書へのアニマシオン」もその一環として取り組んでおります。 当研究所では、限定された時間の中で子供に有効に文学教育〔読書技術教育〕を実施するために、絵本と絵を用いる方法を開発しました。幼児から絵本と絵とを用いて絵を観察し、分析的に読む方法を自然に身につけさせ、その技術を文章の分析に応用させる方法です。幼児期から絵本や絵を通して高度な観察力と分析力とを身につけた子供は、文章を緻密に読み、深く読解する能力を身につけます。また、中学生や高校生から読書技術を学習する生徒に対しても、必ず最初に『絵の分析』を実施し、対象を分析することの意味と方法とを理解させ、その後文章の分析に進みます。 当研究所の『絵の分析』の方法は、アメリカのイェール大学メディカルスクール〔医学部〕のブレーヴァーマン博士が開発した、医学生の観察力を鍛えるための方法論(Observational skills)と多くの共通点を持っています。博士とは互いにその方法論について情報の交換をし、博士のご厚意で、『絵本で育てる情報分析力』〔三森ゆりか著 一声社 2002年〕には序文を頂いております。アメリカでは、博士の手法が多くの大学に採用され、医学生の診断力の向上に役立っています。 これまで、下記のように欧米の学校教育の視察と調査を行っています。
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